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福島 昌宏; 岡嶋 成晃; 安藤 真樹; 山根 剛; 片岡 理治*
JAERI-Research 2005-008, 57 Pages, 2005/03
高速炉臨界実験装置FCAに構築した水冷却増殖炉模擬第1炉心FCA-XXII-1(65V)において、水冷却増殖炉の重要な核特性である増殖指標の評価を目的として反応率比の測定及び解析を行った。劣化ウラン箔,濃縮ウラン箔を用いた箔放射化法によりU捕獲反応率対U核分裂率(C8/F5)の測定を行い、また、絶対校正された核分裂計数管を用いてPu核分裂率対U核分裂率(F9/F5)及びU核分裂率対U核分裂率(F8/F5)の測定を行った。箔や核分裂計数管の形状及び測定位置をMVPコードによりモデル化し、セル平均の反応率比を導出するための補正因子を算出した。これらの補正を考慮し、セル平均の反応率比は、F8/F5=0.02010.9%, F9/F5=0.7591.2%及びC8/F5=0.09161.4%となった。以上の結果から、増殖指標はC8/F9=0.1211.8%と求まった。解析はJENDL-3.2核データ・ライブラリーに基づくJFS-3-J3.2Rの70群定数セットを用いた。標準的な高速炉用セル計算コード及び、拡散計算コードにより、セル平均の反応率比を求めた。ただし、炉心中心の燃料セル計算に対しては、超詳細群セル計算コードPEACO-Xを用いた。反応率比F9/F5, F8/F5におけるC/E値はそれぞれ1.02及び1.03となり、計算値が実験値を若干過大評価する結果となった。また、C8/F5におけるC/E値は1.06となり、計算値が実験値を過大評価することを確認した。以上の解析から、増殖指標C8/F9のC/E値は1.03と求まり、計算値が実験値を若干過大評価する結果となった。
森本 裕一*; 落合 謙太郎; 西尾 隆志*; 和田 政行*; 山内 通則*; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.42 - 45, 2004/03
ITERには計測やRF加熱のために複雑な屈曲ダクトが数多く設けられており、これらのダクトを通してストリーミングする放射線による周辺線量率への影響評価は遮蔽設計上重要な課題である。これまでFNSでは多くのストリーミング実験が実施されてきたが、屈曲ダクトについては検討がまだ不十分であり、本研究では実験とその解析により中性子挙動を解明し、モンテカルロ輸送計算法の信頼性を評価した。実験体系は170140180cmの寸法で、3030cmの断面の屈曲ダクトを設け、放射化箔でダクト内の中性子束分布とエネルギースペクトルを測定した。計算では線源構造,ターゲット室及び実験体系を詳細にモデル化し、MCNPコードとFENDLライブラリーを用いたモンテカルロ計算により解析を行った。それにより、放射化反応率の実験値と計算値の差はおおよそ30%以内に収まることがわかった。結論として、MCNPコードによる屈曲ダクトのストリーミング計算は、ITERの遮蔽設計に充分適用可能であると考えられる。
斎藤 滋; 深谷 清*; 石山 新太郎
JAERI-Tech 2002-058, 30 Pages, 2002/07
現在、ITER等の核融合炉の設計では、ダイバータ等のアーマ材に高融点タングステン合金の適用が検討されている。一方、アーマ材の背後に接合されるヒートシンクには、その熱伝導率の高さや機械的特性から、無酸素銅やアルミナ分散強化銅などの銅合金が提案されている。プラズマ対向機器の製作には両者の信頼できる接合技術の開発が不可欠であり、原研では熱間等方加圧(Hot Isostatic Pressing; HIP)法によるタングステンと銅合金の接合技術の開発を進めてきた。本研究では金箔を用いたタングステンと銅合金のHIP接合試験を行い、最適なHIP条件の選択と、引張り試験による接合強度の評価を行った。その結果、最適接合条件は850・2時間・147MPaで、金箔なしの場合よりも150も低い温度で接合が可能となった。しかも接合強度は金箔なしの場合と同様であることがわかった。
桜井 健; 根本 龍男*; 小林 圭二*; 宇根崎 博信*
Journal of the Physical Society of Japan, 36(8), p.661 - 670, 1999/08
日本原子力研究所の高速炉臨界実験装置FCAにおいて、高速増殖炉の増殖性能指標として重要なU捕獲反応/Pu核分裂率比(C8/F9)とU捕獲反応/U核分裂率比(C8/F5)の測定と解析を行った。測定は2つの金属燃料高速炉模擬体系と1つのMOX燃料高速炉模擬体系において、核分裂箔を用いた箔放射化法により行った。解析はJENDL3.2核データライブラリーを用いて行った。計算と実験値の比(C/E)は、C8/F9に関しては0.99~1.02であり、C8/F5に関しては1.0~1.03であった。さらに、京都大学研究炉の重水設備の標準熱中性子場において、C8とF5反応率を測定した。箔放射化法自体の実験精度の確認を目的として、測定結果を、精度良く評価されている熱中性子断面積と熱中性子束より得た反応率(基準値)と比較した。その結果、C8及びF5反応率の測定値は、いずれも基準値と1.5%以内でよく一致した。
核データベース*
PNC TN9450 96-052, 694 Pages, 1996/10
本報告書は動燃事業団と米国エネルギー省(DOE)との共同研究として、アルゴンヌ国立研究所(ANL-W)の大型高速炉臨界実験装置ZPPR(Zero Power Physics Reacter)において、1982年から1984年にかけて実施された大型高速炉臨界実験のフェーズ2(JUPITER-2)の実験データをまとめたものである。JUPITER-2実験では電気出力65万kWe級の径方向ブランケットの形状が異なる6つの径方向非均質ベンチマーク炉心が含まれる。本報告書に収録した実験項目は、臨界性、制御棒反応度、反応率分布、Naボイド反応度、サンプル反応度、ドップラー反応度、ゾーン置換反応度、ガンマ線発熱である。 本実験データ集はJUPITER実験の成果を、大型FBR炉心の炉物理研究及び核設計のための基本データベースとして、将来にわたって有効に活用することを目的として整備したものである。従って、実験内容を理解するために必要な情報に加えて、実際に実験解析を行うために必要な詳細データをくまなく網羅した。また、本実験データ集に含まれている実験体系あるいはドロワの組成データなどの情報は、ほとんど大洗工学センターの大型計算機あるいはその媒体上に保管されており、今後の炉物理研究の進捗に応じて解析コードへの入力データとして入力できるようにした。
井口 哲夫*
PNC TJ9602 96-004, 49 Pages, 1996/03
高速炉の新型中性子ドシメトリー手法であるヘリウム蓄積型中性子フルエンスモニター(HAFM)の測定精度評価、及びタグガスの放射化分析による高速炉の燃料破損検出法への適用性評価を目的として、東京大学工学部附属原子力工学研究施設の高速中性子源炉「弥生」の標準照射場を用い、これらの試料の校正照射を行った。HAFM試料の照射では、炉心中央(Gy孔)に、93%濃縮ボロン1mg入りバナジウムカプセル、また高速中性子柱実験孔(FC孔)に、同仕様の濃縮ボロンカプセル、天然ボロン10mg入りカプセル、天然ボロンチップ、96%濃縮6LiF熱蛍光線量計素子が装荷された。これらの照射場の中性子束及び中性子スペクトルは、Al, Fe, Co, Ni, Cu, Ti, In, Au, 235U, 237Np等を用いた放射化箔法でモニターされ、平成8年3月末現在、照射された0.1MeV以上の中性子フルエンスは、Gy孔で1.010の17乗n/cm2(積算炉出力78kWh相当)、またFCで3.410の14乗n/cm2(積算炉出力160kWh相当)に達している。一方、ステンレス鋼製カプセルに封入されたKr、Xeベースのタグガス試料(単体型と小径型の2種類)について、Gy孔で、積算炉出力9kWh及び7kWhの2回の標準照射を行い、照射直後から各試料のガンマ線スペクトル測定を行った。タグガスの封入されていないダミーカプセルの測定スペクトルと比較した結果、タグガスの放射化で生成された79Krや125Xeなどの放射性核種からのガンマ線光電ピークを明確に同定でき、燃焼計算の精度評価に有用なベンチマーク実験データが得られた。
M.Hoek*; 西谷 健夫; M.Carlsson*; T.Carlsson*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 368, p.804 - 814, 1996/00
被引用回数:19 パーセンタイル:81.64(Instruments & Instrumentation)DDプラズマ中で発生する1MeVトリトン(T)はDTプラズマで発生する3.5MeV粒子と運動パラメータがほぼ同じであるため、Tの挙動から粒子の挙動を類推することができる。1MeV Tは、プラズマ中で減速し、DT反応を起こして14MeV中性子を放出する。ここでは、DD反応による2.5MeV中性子とトリトン燃焼による14MeV中性子の発生量を放射化箔法で測定した。測定されたトリトン燃焼率(14MeV中性子/2.5MeV中性子)は、プラズマ電流とともに増加し、プラズマの大半径とともに減少しており、トリトンに対するリップル損失を示唆している。
桜井 健; 根本 龍男
JAERI-Research 95-054, 36 Pages, 1995/08
原研FCAに構築した1つのMOX燃料高速炉模擬体系と2つの金属燃料高速炉模擬体系において、増殖性能指標として重要なU捕獲反応/Pu核分裂率比(C8/F9)とU捕獲反応/U核分裂率比(C8/F5)の測定を箔放射化法により行い、セル平均の反応率比を実験誤差2~3%(1)で求めた。解析はJENDL3.2核データライブラリーに基づくJFS3-J3.2群定数セットを用いて行った。さらに、用いた箔放射化自体の実験精度の確認を目的として、京都大学研究炉重水設備の標準熱中性子場においてC8とF5反応率を実験誤差1~1.5%で測定した。測定結果を、精度良く評価されている熱中性子断面積と熱中性子束より得た反応率(基準値)と比較した。FCAの3つの模擬炉心いずれにおいても、計算と実験値の比(C/E)は、C8/F9に関しては1.01~0.99であり、C8/F5に関しては1.02~1.01であった。標準熱中性子場におけるC8及びF5反応率の測定値は、それぞれ基準値と実験誤差内で一致した。
M.Hoek*; 西谷 健夫; 池田 裕二郎; 森岡 篤彦
JAERI-M 94-002, 25 Pages, 1994/01
JT-60Uにおいて、1放電当りの積算中性子発生量を、シリコン、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケルの箔を用いた中性子放射化法により測定した。モンテカルロ法(MCNPコード)を使用した中性子輸送計算により、照射位置での中性子フルエンスと中性子エネルギー分布を決定した。最近導入した、中性子放射化箔により高ポロイダルベータ実験時に、約100の箔を照射した。2.5MeV中性子発生量の初期測定結果は核分裂電離箱で測定した中性子発生量と良く一致することを確認した。上に示した箔のうち、インジウム箔が全中性子発生量測定に最も適しており、測定誤差は~15%である。重水素-重水素反応の2次生成物であるトリチウムと重水素との核融合反応で生じる14MeV中性子発生量の測定には、シリコンとアルミニウムが最も適しており、測定誤差は~15-20%である。測定されたトリトンの燃焼率は、0.5~1%であった。
C.Ertek*; 大井川 宏之
Proceedings of 8th ASTM-EURATOM Symposium on Reactor Dosimetry (ASTM STP 1228), p.187 - 193, 1994/00
トルコCekmece核研究センターの研究炉TR-I(1MW+h)の1.456eV単色中性子ビームを使った天然インジウム箔の照射実験について解析を行った。照射したインジウム箔は26,28,44mの3枚であり、これらを重ね合わせて垂直に中性子が入射するように配置した。天然インジウムの主要核種であるIn-115は1.46eVに大きな共鳴吸収断面積を持つため、3枚の箔の放射化率を調べることにより中性子の箔内での減衰の様子が分かり、断面積の評価を行うことができる。JENDL-Dosimetry fileを使った解析的な計算では実験的に見られる中性子の深層への透過が再現できないことが分かった。今後、核データの誤りと計算の高度化の両面から検討を行う必要がある。
桜井 健; 根本 龍男; 大部 誠; 中野 正文; 小林 圭二*; 宇根崎 博信*
JAERI-M 93-153, 50 Pages, 1993/08
高速炉臨界実験装置FCAにおいてU核分裂率とU捕獲反応率の絶対値およびこれらの反応率比を箔放射化法で測定するために、ゲルマニウム半導体検出器の校正実験を行い、実効的な線計数効率を求めた。各計数効率の決定は、互いに独立な2種類の校正手法を使用して行った。校正に大きな系統誤差が含まれないことを検証するために、得られた計数効率間の比較を行った。U核分裂率に関しては、核分裂計数管を使用する校正手法と熱中性子断面積に基づく校正手法を適用した。U捕獲反応率に関しては、Am-Np線源を使用する校正手法と熱中性子断面積に基づく校正手法を適用した。相互比較実験の結果として、各反応率の絶対値を測定するため計数効率に関しては、校正手法間で1.5%以内の一致が得られた。反応率比を測定するための計数効率比に関しては、校正手法間で1%以内の一致が得られた。
中川 正幸; 森 貴正; 小迫 和明*; 大山 幸夫; 中村 知夫
JAERI-M 89-154, 178 Pages, 1989/10
原研/米国協力核融合炉ブランケットニュートロニクス計画によりFNSで行われたフェイズIIa及びIIb実験の解析を行った。フェイズIIは酸化リチウム試験領域を炭酸リチウム容器で囲んだ閉体系であり、IIbでは内壁に中性子増倍材としてベリリウム層が追加された。実験及び解析項目は、中性子源特性、トリチウム生成率、反応率分布、中性子スペクトルである。解析にはJENDL3/RP1とPR2を核データとして用い二次元SnコードとMORSE-DDモンテカルロコードで輸送計算を行った。解析結果より各種パラメータの予測精度、モデル、断面積等についての問題点を指摘した。特にトリチウム生成率は基準系では予測精度は良いが増倍材が入った系では過少評価となる。
小圷 龍男*; 大部 誠
JAERI-M 84-147, 40 Pages, 1984/08
箔照射による反応率測定を有効かつ効率的に進めるためのデータ処理コードシステムを開発した。照射箔より発する線スペクトルの測定および解析を自動的に行ない、反応率分布の結果まで一貫した処理を行うことが可能となった。線スペクトルのピーク解析機能としてデータ平滑化、一次微分および二次微分によるピーク探索および非線形最小自乗法に基く関数フィッティングによるピーク面積および誤差等の算定機能を具えている。また、ピーク解析コードにより求められた実験値を用いて、核種毎の崩壊定数を決定し、時間補正および箔の重量補正を行ない反応率を求める。これらのコードは、使用言語にFORTRAN-77を用い小型計算機PDP-11/44(DEC)用に開発したものであり、最大プログラムメモリーサイズは、32Kと制約を受けている。
近藤 育朗; 瀬崎 勝二; 桜井 文雄
JAERI-M 6550, 22 Pages, 1976/05
JMTRに於て、箔放射化法による中性子スペクトルの測定を行なった。特に、0.1~1MeVエネルギレンジの中性子束の寄与を評価することを目的として、Ag(n,n')Ag反応を導入した。速中性子モニタをしてはInを、低エネルギ側には3種類の共鳴検出器を用いた。スペクトルの導出にはSANSIIコードを用いたが、それに必要な初期スペクトルとしては1次元SNコードANISNによる計算値を用いた。Ag箔の導入に当ってはENDEF/B-IVのAg(n,n')反応に関する励起関数を基にして編集を行い、Ag(n,n')Ag反応の断面積ファイルを作成してSANDII断面積ライブラリに加えた。SANDIIを2回ランさせることにより、無理のないスペクトルは得られると同時に、Ag箔の実用比の見通しが得られた。
森山 昇; H.Y.Lee*; 佐藤 章一; 池添 康正; 清水 三郎; 小林 敏明; 岡本 次郎; 浜ノ上 熊男; 徳永 興公; 団野 晧文
JAERI-M 4878, 9 Pages, 1972/07
核分裂片を照射して気相放射線化学反応を行なう場合、核分裂生成物がどの程度化学反応系へ混入し、どの程度の放射能で且つどのように挙動しているかを調べた。ウラン-パラジウム合金箔を燃料として使用し、エチレンを化学反応系として使用すると、核分裂片の58%が化学反応系へ放出されるが、気相中に留るものは殆んどなく、総て照射容器の器壁に付着していることが判明した。又、実験的に測定された漸放射能は、K.WagおよびE.P.Wigner等の提案している実験式とよく一致した。
田坂 完二
日本原子力学会誌, 13(2), p.73 - 75, 1971/00
核分裂反応率を最も直接的に測定する方法は,フイッション・カウンタによる方法であるが,カウンタを入れるスペースがなかったり,カウンタを入れることによって実験の精度に影響が出たり,また高温における測定が必要な場合も生じ,濃縮Uまたは劣化U等の箔を放射化して核分裂反応率を測定する必要が生ずる場合が多い。その1方法について新しい試みを述べる。
古橋 晃; 松本 圭司*; 大部 誠
日本原子力学会誌, 2(7), P. 394, 1960/00
原子炉体系における中性子のエネルギー分布を測定する手段の一つとして、いわゆる共鳴箔のカドミウム比によって熱外領域の中性子束の大きさを知ろうとする方法がひろく用いられる。このとき通常用いられる程度の厚さの箔では、中性子に対する箔の自己遮蔽効果や放射能の箔内自己吸収効果が相当きいてくるので、カドミウム比が箔の厚さによっていちじるしく変化し、箔の厚さを指定しなければカドミウム比の意味がなくなる。この論文ではGreenfieldがインジウム箔について行なったと同様の方法で、金箔の場合について、有限な厚さの箔で測定値を厚さ0の理想箔での値に換算するための補正係数を決定した結果およびその係数の物理的な内容に関する若干の考察を記した。またJRR-1炉心内での測定の結果、全熱外中性子密度とマクスウェル部分の中性子密度との比として0.11という値を得た。
原田 正英; 勅使河原 誠; 大井 元貴; 及川 健一; 高田 弘; 池田 裕二郎
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源では、線源から中性子実験装置に、冷熱中性子の他に、熱外中性子やMeV領域の高速中性子も飛来する。ここで、MeV領域の高速中性子は、高速中性子照射実験に活用される一方、中性子実験装置の遮へい設計に大きな影響を与える。これまでの中性子実験装置の遮へい設計では、計算により高速中性子束を評価し、その評価値を線源データとして用いた。この高速中性子束のデータの信頼性の検証を目的として、中性子実験装置NOBORU(BL10)にて、Au, Al, Bi, In, Nb, Tmの箔によるしきい反応を利用した箔放射化法を用い、中性子源から13.4m及び14m位置のビーム軸上に設置し、高速中性子束を測定した。実験の結果、計算値/実験値の比は0.7から1.7となることがわかった。
原田 正英; 勅使河原 誠; 大井 元貴; 及川 健一; 池田 裕二郎
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源は、水銀ターゲットに3GeV、1MW陽子ビームを照射し、発生する中性子を中性子実験装置に供給する施設である。中性子実験装置には、冷熱中性子の他に、熱外中性子やMeV領域の高速中性子も飛来する。ここで、MeV領域の高速中性子は、高速中性子照射実験に活用される一方、中性子実験装置の遮蔽設計に大きな影響を与える。これまでの中性子実験装置の遮蔽設計では、計算による高速中性子線源データを用いてきたため、この線源データの検証を行う必要がある。そして、高速中性子の場として、中性子強度や分布を明確にする必要がある。そこで、中性子実験装置NOBORU(BL10)にて、しきい反応を利用した箔放射化法を用い、Au, Al, Bi, In, Nbの箔を用い、中性子源から13.4m位置に設置した。熱中性子を遮るフィルターを設置した場合やアルミ箔を用いた高速中性子の分布について測定した。PHITSとの比較を行い、全般的に良い一致を得た。